カンバセーションズ2007/03/22 21:29:54

二人劇といっていいでしょう。ほとんどが、10年ぶりに再会した元カップルの「会話」です。そして、デュアル・フレーム、スクリーンが二つに分かれた画面。

はじめは、落ち着かない感じなのですが、本音と建前の見え隠れの言葉のやり取りを楽しむうちに、男と女の立場をそれぞれが表しているように感じられてきます。

現在の二人と、出会ったばかりの若々しい二人、ちょっと似ている別々の俳優でのデュアル・フレームも、効果的でした。永遠の幸せを手に入れたような二人の姿、別れの予感の微塵もない様子が、人生なのですね。

お勧め度 ★★★ 私の満足度 ★★★★

アメリカ映画ですか、フランス語の曲をバックにアンニュイ(死語?)な雰囲気です。35才以上じゃないとこの味は、楽しめないかもしれませんね。

水戸テアトル西友(3/21)にて  公式HP

今宵、フィッツジェラルド劇場で2007/03/06 19:11:46

成功したとは言えない芸人たちだが、演ずる舞台の公開放送があった。しかし、それも今日まで。カントリーとゴスペル、アメリカの風情をたっぷりお楽しみください。

これが、アメリカ人の「わび、さび」です。

打ち切りの決まった地方ラジオの公開放送の最終回。警備係と出演者たち、だれが主人公というのでもない、登場人物がみな主人公であり、脇役でもある。それぞれの人生の縮図を、この一夜で切り取ってくれます。

顔に似合わないスイート・ボイスの司会役のギャリソン・キーラーが脚本・原案でもあり、本当にフィッツジェラルド劇場で、公開放送をしているそうです。もちろん、人気番組で打ち切りとはなっておりません。

お勧め度 ★★★ 私の満足度 ★★★★

水戸テアトル西友(3/6)にて  公式サイト   このごろミニ・シアター系のいい映画を、立て続けに上映してくれます。半年で6回の株主優待が、1ヶ月ちょっとで、あと1回しか残っていません。うれしい悲鳴。

ゴーストライダー2007/03/04 19:11:46

アメリカのコミックが原作のB級テイスト漂う作品。ニコラス・ケイジがなんで?といった感じですが、コミックファンでバイク好きということです。

主人公ジョニーの部屋、カーペンターズの曲が流れています。カレンのあの甘い切ない歌声が、いいですねー。原作にあるのか、ニコラスの好みで使ったのか。知っている方いらしたら、教えてください。

お勧め度 ★ 私の満足度 ★★★

火を噴き疾走する「ハーレー」が、いいですね。彼も年齢的には、こういう主人公役を演じられる限界でしょうね。

TOHOシネマズ水戸内原(3/4)にて 公式HP

敬愛なるベートーベン2007/01/24 22:02:30

音楽映画にハズレ無し。第九を聴いただけでも、十分見る価値あり!「音楽とは、神の声」、ベートーヴェンが言うと、まさにその通りと感じ入ってしまいます。

日本人には、あまりなじみのない考え方の「神が私に何をさせようとしているのか」。人生のいい時、悪い時、判断に苦しむ時、そんな時に、この考え方を持ち込むのも、良いのではないでしょうか。客観的に自分を見ることが、出来そうな気がします。

晩年のベートーヴェンの若き女性写譜師に抱く、淡き恋心にも似た感情も、また一味あります。

お勧め度 ★★★ 私の満足度 ★★★★

黙っていたら、絶対エド・ハリスと気が付かない、あの髪型。もちろんカツラなのでしょうが。(笑)

TOHOシネマズ水戸内原(1/14)にて 公式HP 敬愛なるベートーベン

狩人と犬、最後の旅2006/11/15 07:37:10

「自然との闘い、獲物との闘い」、その闘いは、奪い取るための闘いではなく、共存を目指した闘いであった。

森林伐採のため、猟場を失っていくトラッパー(狩人)のノーマン。引退を決意している。しかし、残された森林に狩人がいなくなることは、自然の生態系の調節者を失うことであり、絶滅する動物たちを加速させることでもある。

犬ぞりの犬たちと人間を通して、自然との共生の願いが、ひしひしと伝わる作品です。猟の厳しさは、命がけであり、まさに獲物と人間の命のやり取り。命を奪った動物たちには、「感謝するだけだ。」とノーマンは語る。

ロッキー山脈の大自然。美しさを厳しさに圧倒される映像です。

お勧め度 ★★★ 私の満足度 ★★★★

ロッジを妻と二人で作ってしまうのには、驚きました。自分のことは、自分でやる。これが自然界の本来の掟ですね。 実在の「最後の狩人」ノーマン・ウィンター本人が主人公を演じているのですが、なかなか渋くて良い味の雰囲気、私は俳優が演じているもの思ってしまいました。

水戸リードシネマにて 公式HP 狩人と犬、最後の旅

カーポティ2006/10/14 21:50:43

絶対、カーポティの「冷血」を読んでから観てください。

一家惨殺殺人犯の死刑囚ペリーに近づき、信頼関係を築いていくが、それはあくまで、ノンフィクション小説を書くため。「冷血」を書き上げるまでを、再現した作品です。

アメリカでは、誰でも知っている作家。しかし、日本では、名前だけは知っている作家。この違いが、この映画に引き込まれるかどうかの分かれ道なのでしょう。アカデミー主演男優賞受賞、フィリップ・シーモア・ホフマンの本人そっくりという演技も、わかりません。

しかし、カーポティとペリーの刑務所での会話、迫力があります。クロースアップでの二人のカット・バック。ペリーは残忍な殺人犯ですが、彼を利用しようとするカーポティは、さらに残忍なのでしょうか?

お勧め度 ★★ 私の満足度 ★★★

私はこれから「冷血」を読みたいと思います。

公式HP カーポティ

グエムル・漢江の怪物2006/09/10 21:13:23

モンスター&コメディ&ヒューマン??映画です。

主人公ソン・ガンホのコメディタッチの雰囲気と、怪物の不気味さ、怪物にさらわれた娘を救出に向かう家族愛が、このパニック映画に詰め込まれています。

怪物の出現の原因は、米軍が故意に廃棄した毒物による突然変異。アメリカの傘の下の安全を選んできた韓国。しかし、その傘も、真の安全は保障していないし、韓国のための安全を意味していない。

パニック映画ですが、そんなことまで、考えてしまう不思議なテイストの映画でした。

お勧め度 ★★  私の満足度 ★★★

大音響に弱い方は、あまりお勧めいたしません。何度か、ドキッとされらました。

シネプレックス水戸にて  公式HP グエムル

シネマ日記 クライング・フィスト2006/06/23 21:25:38

貧困、挫折、人生の壁にぶつかった時、人は打開の糸口を求める。そして、ボクシングとは、その壁を自分の拳によって打ち破ろうとする手段。人間の再生を描きだすには、うってつけの題材であると再認識しました。

アジア大会元銀メダリスト・殴られ屋の中年ボクサー(チェ・ミンシク)と少年院のどうしようもない暴れん者(リュ・スンボン)。その二人が、ボクシングを通して、千切れた家族の絆を結び直していく。二人の主人公、二つのストーリが、一つに結ばれていきます。

勝負は勝ちと負けしかないが、人生は勝ち負けではない。

これまで観た(それほど多くは観ていませんが)韓国映画で、一番の映画となりました。良い映画なのに、上映館が少ないのが寂しいですね。

お勧め度 ★★★★★ 私の満足度 ★★★★★

ボクシングシーンでの音楽の使い方が、涙腺を刺激します。おもわずサントラをネットで探し、注文しました。

水戸リードシネマにて 公式HP クライング・フィスト

シネマ日記 GOAL! ゴール!2006/06/05 22:34:19

「サンティアーゴ」彼の名前を呼ぶ声が、耳に残ります。 主人公サンティアゴが、貧しい生い立ちからプロサッカー選手の夢をあきらめず、叶えていくサクセスストーリーです。

ひたむきな主人公に感情移入していき、自分がこのサクセスストーリーの主人公と一体化してしまいます。念ずれば通ず。願えば叶う。困難は越えるもの。壁は破られる。・・・

誰もが夢を実現できるとは限らないが、ひと時、誰でも夢を実現できるのが映画。映画自体が夢の中なんですね。

ところで、ロズ役のアンナ・フリエルって、「愛と青春の旅立ち」のデブラ・ウィンガーに似ていませんか?

お勧め度 ★★★ 私の満足度 ★★★★

ワールドカップ目前、観れば誰でも「にわかサッカーファン」になってしまう、FIFA公認のフットボール映画です。

TOHOシネマズひたちなかにて

公式HP GOAL! ゴール!

シネマ日記 グッドナイト&グッドラック2006/05/19 22:12:47

モノクロの画面、スタンダードナンバーのジャズボーカル。50年代を見事にかもし出し、まるで当時製作された、ドキュメンタリー映画を観ている錯覚に陥るでしょう。

50年代アメリカで起こった「赤狩り」立ち向かったニュースキャスターとプロデューサー、記者たちの実話に基づいた物語。 「Changing the world one story at a time」映画を社会変革のきっかけにとの’PARTICIPANT PRODUCTIONS’ が「スタンド・アップ」「シリアナ」に続き放つ、問題提起を素直に受け止めたい。

楽しいとか、面白いとかを排したストイックな映画でもありますが、主人公エド・マローのデヴィット・ストラーザンが、渋くていい。今はやりの「チョイ悪オヤジ」なんて、足元にも及ばないカッコよさ、彼のテレビに対する考察のスピーチが、ずしりと重い。

お勧め度 ★★★  私の満足度 ★★★★

ジョージ・クルーニー、監督・脚本・出演。最近、映画の鬼と化してますね。

TOHOシネマズひたちなか マイル獲得再スタート 161マイル

公式HP グッドナイト&グッドラック