明日へのチケット2007/01/10 22:01:00

3人の監督による、ローマに向かう国際列車の出来事。偶然乗り合わせた人々の3篇の物語。

エルマンノ・オルミ監督の一番目の物語が、美しい。初老の大学教授の忘れかけていた心のときめきを、上品に、さりげなく表現しています。

出張先の中年女性の秘書の心づかいに抱いた、淡い恋心。食堂車のテーブルで彼女に手紙を書こうとノートPCに向かう。「年老いた心」と心の奥に潜む「年老いぬ心」を、絶妙に描いています。そして、最後に心温まる、エピソードを添える。

あとの2編も、もちろん、楽しめます。あなたは、どのストーリーに心を動かされるでしょうか?

お勧め度 ★★★★ 私の満足度 ★★★★(一番目は★★★★★です)

大学教授の老眼鏡が、かっこいい。そんなものに、興味を持つ年齢に達してしまいました。本日、バースデー割引1000円で鑑賞。

水戸テアトル西友(1/8)にて 公式HP 明日へのチケット

コメント

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_ パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ - 2007/01/10 22:23:09


それは希望と幸せの乗車券!!カンヌ最高賞パルムドールを全員が受賞!世界が誇る名匠3人による奇跡のコラボレートローマへと向かう列車を舞台に、偶然乗り合わせた人々の、1枚のチケットから始まる感動の物語。 今 それぞれの 人生の旅が始まる。
一枚目のチケット〜...

_ ラムの大通り - 2007/01/10 22:34:18

----なにこれ?アッバス・キアロスタミにエルマンノ・オルミに、
今年、カンヌでパルムドール受賞のケン・ローチ。
とてつもなくスゴい顔ぶれだね。オムニバスなの?
「う〜ん。
独立したエピソードを1本に繋いだわけではないことから、
配給元ではオムニバス形式とは呼んでないみたい。
ローマへと向かう特急列車に乗り込んださまざまな人種と階級の人々。
彼らが重なりあう形で他の物語にも登場。
それぞれのチケット(乗車券)から始まる3つの物語を
織り上げたと言う形になっている」
----だれがどんなエピソードをやったんだろう?
なんか興味あるニャあ。
「話だけ聞いて、それを想像するのも楽しいと思うよ。
と言うことで、ここで3つの物語のさわりと見どころを喋るから、
どれがどの監督のお話かあててみたら。
まずは第1話から。
悪天候のために飛行機をあきらめ
インスブルックから列車でローマに帰るはめになった初老の大学教授。
彼はチケットを用意してくれた若い女性に心ときめき、
心の中に甘い妄想を広げてゆく。
ところがテロ対策で乗り込んでいる軍人の
アルバニア移民家族に対する横柄な態度によって
その白日夢が打ち破られる。
そんな中、彼は思いもかけぬ行動に出る。
このエピソード、
軍人がサングラスをしているのが印象的。
威圧感たっぷりで個々に対しての思いやりがまったくない。
列車の乗客全員の命を守ると言う、
その大義の前には、たかが一人という感じなんだろうね」
----おっ、愛がテーマかと思ったら、
そういう方向に変わってきたわけだ。
「さて第2話。
この物語はアルバニア移民家族が乗り換えた列車の中で進む。
そこに一緒に乗り込んできた太った中年女性。
彼女はフィリッポと言う青年を連れている。
フィリッポは兵役義務の一環として
将軍の未亡人である女性の手助けをするよう割り当てられたわけだ。
何を言われても下僕のように言いつけに従うフィリッポ。
一方の未亡人は、二等車のチケットしか持たないのに、
一等車の座席に座り込み、てこでも動こうとはしない。
そんな中、フィリッポの過去を知ると言う少女が現れる。
彼女が昔の自分について語るうちに、
彼の中にある自覚が芽生えてくる。
ここのエピソードはユーモアと緊迫感を伴う会話が特徴だね」
----ニャるほど。次は?
「では第3話。
こちらは第2話と同じ列車内の

_ カノンな日々 - 2007/01/10 22:45:00

この映画はケン・ローチ、アッバス・キアロスタミ、エルマンノ・オルミという世界が誇る3人の巨匠によるコラボレート、オムニバス作品というのが大々的に宣伝文句になってるんですが、スミマセン、一人も名前知りません。でもちょっと気になってサクっと検索してみたら、な....

_ 日っ歩~美味しいもの、映画、子育て...の日々~ - 2007/01/10 23:34:04

国際色豊かな列車の旅が描かれます。

飛行機で帰るはずが、空港の閉鎖により列車の旅を余儀なくされた老教授のロマンス。気難しい老未亡人の世話をする青年。仲間と積み立てをして資金を作りサッカーの試合を観に行こうとしている青年たち。そして、この3つのストーリーを繋ぐ

_ シャーロットの涙 - 2007/01/10 23:34:06

78年「木靴の樹」のエルマンノ・オルミ、97年「桜桃の味」のアッバス・キアロスタミ、そして今年「麦の穂をゆらす風」のケン・ローチ。全員がカンヌ国際映画祭の最高賞であるパルムド−ルの受賞者たち。
オムニバス形式ではなく、バトンリレーのように設定が受け継がれ列車は走る。
{/cars_train/}{/cars_train/}{/cars_train/}〜〜〜

登場人物それぞれが持つチケット。そこから始まる接点を、名匠の個性がそれぞれの人物の特性を捉えていく。そして温かさ溢れ出すような視点の深さに感銘を受けてしまう。

一見そこにはチケットという一種の差別化がもたらす、偏見や哀しみや不安などの負の感情が吐露されていくが、それでもそこには何かしらの気づきがあり人たるゆえんのひたむきさも感じてくるのが不思議。
そう、ひたむきなまでな直球を投げる様が、見ていて熱くなってしまった。
人とはなんて傲慢で卑しくてナイーブで、でも愛すべき存在なんだろう。

初老の教授が抱く淡い恋心も、何事も流されてしまう青年が見つめる自分も、我儘でも誰かいないといられなかった中年女性も、夢にまで見たサッカーチャンピオンズ・リーグの試合を観るためにスコットランドのグラスゴーからやって来たセルティック・サポーターの3人の若者たちも、どこか真撃でまっすぐな想いを感じて愛おしくなる。

移動していく時間の流れを、それぞれがこの狭い列車という空間の中で共有していく。何気ないことが他人へと影響を及ぼし共鳴していくのが面白い。
そして共鳴して初めて気が付くのである。

自分にも何かできるのではないかと。

無力であるかもしれない、自信がないとか、もしかしてそれは自分の思ってることとは違うのかもしれないと思いつつも、どこか自分や他人に対しての信頼感を見せてくれる。


何かへの突破口を探し葛藤する様を見ながらじれったくなりながらも、予想もしない出口にたどり着くとそれらは明るさ満天の清々しい希望へと昇華していた。
いろんな事があったけど最後は笑ってしまう・・・そんな後味はサイコーに良かったな。

人生の選択肢はきっと振り返ると何通りもありながら、結局自分では最良の道へ向かって選んでいるのだと思う。可能性は無限だけどかけがえのないものにはきっとちゃんと反応しているのかと。

お恥ずかしながらそれぞれの監督の良さはこの

_ かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY - 2007/01/10 23:51:52

素晴らしきコラボレーション。ナイスチームワーク!ナイスプレイ!ロードムービーは最高。3人の名匠が織りなす鉄道ロードムービー。別々の3本の映画ではなく、イラン、イタリア、イギリスの監督が協調して3人で1本の作品を作るという試みがとてもステキだ。物語はローマへ向かう国際列車の中でだけ展開し、それぞれの監督がおのおのの持ち味を発揮しながらも、自分だけが目立とうとせずに、さりげなくも鮮やかに旅の途中のドラマを見せてくれた。

列車は、トンネルを抜けて橋を渡り国境を越える。しがらみもわだかまりも超越するかのように、目的地をまっしぐらに目指して進んでいく。列車の振動は、人間の鼓動のように規則的に...

_ サーカスな日々 - 2007/05/06 01:32:01




カテゴリ
: ドラマ

製作年
: 2004年

製作国
: イタリア=イギリス

時間
: 110分

公開日
: 2006-10-28〜2006-12-22

監督
: ケン・ローチ エルマンノ・オルミ アッバス・キアロスタミ

出演
: カルロ・デッレ・ピアーネ ヴァレリア・ブルーニ=デデスキ シルヴァーナ・ドゥ・サンティス フィリッポ・トロジャーノ マーティン・コムストン インスブルック駅を出発したローマ行きの急行列車を舞台に、『木靴の樹』のエルマンノ・オルミやイランのアッバス・キアロスタミ、ケン・ローチの監督3人が共同監督を務めた。一人の老教授は、便宜を図ってもらった仕事相手の企業の秘... 続き

共同監督というきわめて異例の企画は、想像以上に楽しめた。


 
映画好きにはこたえられない夢の巨匠トリオである。
いずれもカンヌ最優秀パルムドールの授賞監督。
で、誰もがオムニバス作品かなと思うところだが、共同監督作品だという。
ヨーロッパを縦断する国際列車を舞台にすること。
1枚のチケットをキーワードにすること。
エピソード間になんらかのつながりを持たせること。
そうした大きな設定の中で、3人の巨匠が、一話ごとのエピソードを持ち込み、各パーツを責任演出したうえで、総合的な編集を施したのだと思われる。



1931年イタリア生まれ生まれのエルマンノ・オルミ。
78年「木靴の樹」で授賞。農民など自然で素朴な情景を描く。
1940年イラン北部生まれのアッバス・キアロスタミ。
97年「桜桃の味」で授賞。ゴダールいわく「映画は、D.W.グリフィスで始まり、アッバス・キアロスタムで終わる」。非政治的にみえる子供を対象にしながら検閲を逃れた作品を発表している。
1936年イギリス生まれのケン・ローチ。
2006年「麦の穂をゆらす風」で授賞。イギリスが世界に誇る社会派監督である。

一話。オルミ担当。
孫息子の誕生日に間に合うようにオーストラリアからローマに帰る製薬企業の顧問である老教授。
切符を手配してくれた企業秘書を想いおこして、とつぜん胸をときめかす。
食堂車で、秘書宛に手紙をしたためようとしながら、初恋のピアノをひく少女と秘書が重なり、白昼夢の世界に入っていく。



二話。キアロスタミ担当。
兵役業務の一環として将軍

_ ふかや・インディーズ・フィルム・フェスティバル - 2007/07/01 13:24:45


『明日へのチケット』を観た。
エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ…ケン・ローチ。
3人の巨匠が織りなす「世界の車窓から」。
 
①「命みじかし恋せよ男(お)と女(め)」
『聖なる酔っぱらいの伝説』エルマンノ・オルミ監督の乗車券。
年老いた薬....

_ 虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ - 2007/07/31 23:43:25

あらすじ初老の大学教授は、オーストリアへの出張からローマに帰る飛行機が全便欠航のため仕事相手のオーストリア企業の女性秘書に便宜を図ってもらい、インスブルックからの列車で帰ることになる・・・。感想『木靴の樹』のエルマンノ・オルミ『桜桃の味』のアッバス・キ...

_ シネマ通知表 - 2007/10/19 10:50:28

2005年製作のイタリア・イギリス・イラン映画。
エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチ。3人のパルムドール受賞監督が共同で製作したドラマ。ローマへと向かう特急列車に乗り込んださまざまな人種と階級の人々が織り成す愛と希望の物語を紡ぐ。

<font color="red" size="5">「世界の車窓から。今日はインスブルックから、ローマに向かって出発します。」</font>

1話目は純情な老教授のお...

_ 新!やさぐれ日記 - 2008/01/18 20:18:41

■動機
DVD「麦の穂を揺らす風」内の予告編にて
■感想
連作短編だとは思わなかった
■満足度
★★★★☆☆☆ そこそこ

■あらすじ
1.初老の大学教授は飛行機が欠航のため、女性秘書に便宜を図ってもらい列車で帰る
2.兵役義務の一環で将軍の未亡人を相手にするフィリッポは社内で同郷の少女に出会う
3.セルティックのサポーターの少年達はサッカー観戦の為にローマに向かう
■コメント
エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチという、いずれもカンヌ映画祭でパルムドールを取っている三人の監督による連作短編作品。
物語は繋がっているのでオムニバスではない感じ...