胡同(フートン)のひまわり2006/12/01 21:46:14

絵画の構図のように、均整の取れた映像と落ち着いた音楽。そして、たんたんと進むストーリー。地味で派手さがなく、驚くべき大事件も起こらないが、カットを丁寧につないだ、いい作品です。

画家だったが、強制労働で手をつぶされた父。息子のシャイヤンの絵の才能に自分の夢を託す。それが、父と子の葛藤のもとでもあった。中国近代化のひずみが、人々の心に残したつめ跡を、考えさせられます。

妻のため、息子のため、家族のために生きた父。強制労働で何を見、何かあったかは、語らない。しかし、最後に、家族をおいて旅に出る。語ることのできない、心の穴の深さなのでしょう。

お勧め度 ★★★ 私の満足度 ★★★★

観客の年齢層が高い。40代の私が一番若かった。あとの方は、50代、60代、70代とお見受けしました。

水戸リードシネマにて 公式HP 胡同(フートン)のひまわり