シネマ日記 カミュなんて知らない ― 2006/07/03 21:30:17
映画の楽しみ方の一つに、解釈する楽しみがある。この作品は,観客に映画というものをどう解釈するか、問いかけてくる映画です。
映画の中で、映画づくりに打ち込こむ学生たち。不条理な殺人事件、犯人の心情を解き明かそうとする。それを見守る元映画監督の教授。ほとんどが立教大学でのロケ。私の遠い昔の学生時代、大学の雰囲気(立教ほど趣はありませんでしたが)を思い出しました。楽器の練習音、体育会系の練習の声・・・
映画を語る上で欠かせない名画中の名画たち。結構、みんな観ていない作品とも言えますが、6月に行われた映画検定の問題を思い出せる、セリフの連発!(ちなみに私は、4級・3級受験しました)
お勧め度 ★★★ 私の満足度 ★★★★
7/8に茨城大学の公開講座で、柳町監督の講義が聴けます。TOHOシネマズ水戸内原で7/7まで公開。
公式HP カミュなんて知らない
コメント
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_ カノンな日々 - 2006/07/03 22:55:38
カミュって何だ?私もそんなレベルなんだけど、とりあえずお酒ではなさそうだ。あと思い浮かぶのタレントのセイン・カミュかなぁ、なんて冗談のつもりだったけど、そーえいばセインの身内にスゴイ著名な作家がいたっけか?なんて思ってたらなんとそれがビンゴ!セインのお母....
_ ネタバレ映画館 - 2006/07/03 23:11:42
「カミュ」ってブランデーのことかと思っていたら、「異邦人」のカミュだったのですね・・・で、あのブランデーはシャレなのか?
_ ラムの大通り - 2006/07/03 23:40:55
-----『カミュなんて知らない』……。ぼくも知らないニャあ。
「ふうん、そういうもんかなあ。
ぼくらの頃には、カミュとサルトルは必読書だったんだけどね(遠い目)」
-----だからそれ、何なの?人の名前?
「そう。実存主義の作家の一人。
もっとも有名なのが『きょう、ママンが死んだ。』で始まる小説『異邦人』。
あのルキノ・ビスコンティも映画化しているよ」
-----それとこの映画とどう関係があるわけ?
「いまの学生にとって、実存主義なんて遠い昔のお話。
自分たちにはまったくと言っていいほど関係ない。
そう言えば80年代には構造主義なんてのも流行ったけど、
これもいまの若い人には関係ないんだろうなあ…」
-----話がそれてるよ。
「あっ、ごめんごめん。『異邦人』では主人公ムルソーはアラブ人を射殺して、
その動機を『太陽が眩しかったから』と答える。
一方、この映画はと言うと、
2000年5月に愛知県豊川市で起きた高校生による老婆殺人刺殺事件を、
その犯人の証言を手がかりに、
都心のキャンパスに通う学生たちが映画化する様子を描いたものなんだ」
-----その事件の犯人の動機は何だったの?
「彼はこう証言している。
『人を殺したらどうなるか実験してみたかった』……」
-----もしかして彼、狂ってる?
「ポイントはそこなんだ。
果たして殺人を犯したとき彼は正常だったのか、それとも異常だったのか?
ここで犯人と世代が近い撮影クルーたち、
とりわけ監督・松川(柏原収史)と助監督・久田(前田愛)の間に
決定的な意見の相違が生まれる」
-----ふむ。ドラマとしては見応えありそうだね。
監督は柳町光男だっけ?彼の映画にしては構成が凝ってない?
「彼は92年の『愛について東京』以来、10年以上も劇映画を撮っていない。
でも、2001年度から03年度まで、早稲田大学で客員教授をやっているんだ。
映像ワークショップと言われるそこでの経験がこの映画を生んだようだね。
もともと映像関係の世界を志す学生たちが主人公となっているだけあって、
彼ら学生たちの会話には、さまざまな映画のタイトルが飛び出す。
映画ファンならそれだけで嬉しいところだけど、
もっと楽しませてくれるのは、そういった会話ばかりでなく、
キャラクター設定や撮影手法まで、
かつての名画を大胆に取り入れているところなんだ」
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「ふうん、そういうもんかなあ。
ぼくらの頃には、カミュとサルトルは必読書だったんだけどね(遠い目)」
-----だからそれ、何なの?人の名前?
「そう。実存主義の作家の一人。
もっとも有名なのが『きょう、ママンが死んだ。』で始まる小説『異邦人』。
あのルキノ・ビスコンティも映画化しているよ」
-----それとこの映画とどう関係があるわけ?
「いまの学生にとって、実存主義なんて遠い昔のお話。
自分たちにはまったくと言っていいほど関係ない。
そう言えば80年代には構造主義なんてのも流行ったけど、
これもいまの若い人には関係ないんだろうなあ…」
-----話がそれてるよ。
「あっ、ごめんごめん。『異邦人』では主人公ムルソーはアラブ人を射殺して、
その動機を『太陽が眩しかったから』と答える。
一方、この映画はと言うと、
2000年5月に愛知県豊川市で起きた高校生による老婆殺人刺殺事件を、
その犯人の証言を手がかりに、
都心のキャンパスに通う学生たちが映画化する様子を描いたものなんだ」
-----その事件の犯人の動機は何だったの?
「彼はこう証言している。
『人を殺したらどうなるか実験してみたかった』……」
-----もしかして彼、狂ってる?
「ポイントはそこなんだ。
果たして殺人を犯したとき彼は正常だったのか、それとも異常だったのか?
ここで犯人と世代が近い撮影クルーたち、
とりわけ監督・松川(柏原収史)と助監督・久田(前田愛)の間に
決定的な意見の相違が生まれる」
-----ふむ。ドラマとしては見応えありそうだね。
監督は柳町光男だっけ?彼の映画にしては構成が凝ってない?
「彼は92年の『愛について東京』以来、10年以上も劇映画を撮っていない。
でも、2001年度から03年度まで、早稲田大学で客員教授をやっているんだ。
映像ワークショップと言われるそこでの経験がこの映画を生んだようだね。
もともと映像関係の世界を志す学生たちが主人公となっているだけあって、
彼ら学生たちの会話には、さまざまな映画のタイトルが飛び出す。
映画ファンならそれだけで嬉しいところだけど、
もっと楽しませてくれるのは、そういった会話ばかりでなく、
キャラクター設定や撮影手法まで、
かつての名画を大胆に取り入れているところなんだ」
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_ 日っ歩~美味しいもの、映画、子育て...の日々~ - 2006/07/03 23:46:24
新装なったユーロ・スペースに初めて行きました。相変わらず(更に?)、狭い座席でしたが、前よりは、スクリーンは観やすくなっていましたし、さすがに椅子等が綺麗でした。立地というか、周辺の環境は、特に夜は怪しげで、今ひとつでしたが...。このシアターNの入っているビ
_ 平気の平左 - 2006/07/04 01:21:29
評価:65点
カミュなんて知らない
今ある意味話題の吉川ひなのの出てる映画です。
最近、自分の教養と感性がむごたらしく悲惨なことに、絶望感を覚えます。
この映画の中で、数々の映画のオマージュや映画の話が出てくるのですが、ほとんど知りませんでした。
ホント「カミュなんて知らない!」って感じです。
こーゆー雰囲気の映画はかなり苦手なんですが、頑張って感想を書きたいと思います。
自分の頭の中で全くまとまってないので、たぶんいつも以上にまとまってない文章を書くので、参考にならないと思いますが、
以下、ネタバレあり
まず、最初のシーンから面白いです。
なんか長まわしだなぁ、と感じていたところ、学生が長まわしの映画の話をします。
そして、そのまま長回しを続け、登場人物全員が登場します。
最初から、こういうところでうならされましたね。
このシーンで、運動部かなんかの学生が「エイサ、エイサ」と言いながら、ランニングをしていたんですが、
そこのシーンでちょうど出ていた、出演者のクレジットが「黒木メイサ」だったので、すごい「メイサ、メイサ」って聞こえたんですが、あれは気のせいですか?
まさか狙いですか?
話の展開も、みんながみんなそれぞれ謎を抱えていたりして、引き込まれます。
徐々に明らかになるそれぞれの状況、心境。
登場人物は、劇中劇とリンクしつつ、みんな「正常」と「異常」を行ったりきたり。
狂気の世界を「ためしてみよう」としていたりします。
ラストの虚実入り混じった老婆刺殺事件のシーンは、ド迫力でした。
劇中劇なのか、役者が役に入りすぎてしまったのか、すごい展開でした。
そして、そのままのテンションでなだれ込むエンドロール。
ここらへんの衝撃の展開で、しばらく放心しておりました。
これだけ衝撃のラストは久しぶりでした。
それにしても、ロケ場所の立教大学はいいところですね。
受験した時と友達に会いに行った時とで、あわせて3回ほど行ったことがあるのですが、改めてそう思いましたね。
立教に入学しておけばよかった、と今でもたまに後悔します。
立教の雰囲気ってすきなんですよね。
カミュなんて知らない
今ある意味話題の吉川ひなのの出てる映画です。
最近、自分の教養と感性がむごたらしく悲惨なことに、絶望感を覚えます。
この映画の中で、数々の映画のオマージュや映画の話が出てくるのですが、ほとんど知りませんでした。
ホント「カミュなんて知らない!」って感じです。
こーゆー雰囲気の映画はかなり苦手なんですが、頑張って感想を書きたいと思います。
自分の頭の中で全くまとまってないので、たぶんいつも以上にまとまってない文章を書くので、参考にならないと思いますが、
以下、ネタバレあり
まず、最初のシーンから面白いです。
なんか長まわしだなぁ、と感じていたところ、学生が長まわしの映画の話をします。
そして、そのまま長回しを続け、登場人物全員が登場します。
最初から、こういうところでうならされましたね。
このシーンで、運動部かなんかの学生が「エイサ、エイサ」と言いながら、ランニングをしていたんですが、
そこのシーンでちょうど出ていた、出演者のクレジットが「黒木メイサ」だったので、すごい「メイサ、メイサ」って聞こえたんですが、あれは気のせいですか?
まさか狙いですか?
話の展開も、みんながみんなそれぞれ謎を抱えていたりして、引き込まれます。
徐々に明らかになるそれぞれの状況、心境。
登場人物は、劇中劇とリンクしつつ、みんな「正常」と「異常」を行ったりきたり。
狂気の世界を「ためしてみよう」としていたりします。
ラストの虚実入り混じった老婆刺殺事件のシーンは、ド迫力でした。
劇中劇なのか、役者が役に入りすぎてしまったのか、すごい展開でした。
そして、そのままのテンションでなだれ込むエンドロール。
ここらへんの衝撃の展開で、しばらく放心しておりました。
これだけ衝撃のラストは久しぶりでした。
それにしても、ロケ場所の立教大学はいいところですね。
受験した時と友達に会いに行った時とで、あわせて3回ほど行ったことがあるのですが、改めてそう思いましたね。
立教に入学しておけばよかった、と今でもたまに後悔します。
立教の雰囲気ってすきなんですよね。
_ かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY - 2006/07/04 10:24:23
映画な映画はおもしろみにあふれている。現代の学生は共感できるの?
「異邦人」は一応読んだけど、カミュなんてほとんど知らないし、柳町監督のことも知らなかったし、前田愛と前田亜季の判別の仕方も知らないけど。やばっ
都心の大学キャンパス。“映像ワークショップ”を受講する学生たちは、高校生が犯した「不条理殺人」をテーマに、「タイクツな殺人者」と題された映画を製作することになった。2000年5月、愛知県豊川市で実際に起きた老婆刺殺事件。「人殺しを経験してみたかった。人を殺したらどうなるか、実験してみたかったと言ってもいいです」と殺人犯の男子高生は証言したことから、カミュの「異邦人」の"...
「異邦人」は一応読んだけど、カミュなんてほとんど知らないし、柳町監督のことも知らなかったし、前田愛と前田亜季の判別の仕方も知らないけど。やばっ
都心の大学キャンパス。“映像ワークショップ”を受講する学生たちは、高校生が犯した「不条理殺人」をテーマに、「タイクツな殺人者」と題された映画を製作することになった。2000年5月、愛知県豊川市で実際に起きた老婆刺殺事件。「人殺しを経験してみたかった。人を殺したらどうなるか、実験してみたかったと言ってもいいです」と殺人犯の男子高生は証言したことから、カミュの「異邦人」の"...
_ 39☆SMASH - 2006/12/16 17:43:01
『カミュなんて知らない』
あらすじ
『 「人を殺したらどうなるか、実験してみたかった」 とその動機を語った男子高校生。都心にある大学で映像ワークショップを受講している学生たちは、ある男子高校生が起こした老婆刺殺事件をテーマに、自主映画制作に取り組...
_ 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~ - 2007/01/13 14:21:37
アルベール・カミュ「異邦人」"今日ママンが死んだ"、カミュなんて知らない、異邦人も読んだことない、ただ、太陽が眩しかったから、という不条理殺人・・
そして、"人殺しを経験してみたかった。人を殺したらどうなるか、実験してみたかったと言ってもいい
そして、"人殺しを経験してみたかった。人を殺したらどうなるか、実験してみたかったと言ってもいい
_ ひるめし。 - 2007/03/20 10:07:16
人間って簡単に死なないんだ。
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