シネマ日記 戦場のアリア2006/06/07 21:53:03

第一次大戦のクリスマス・イブ。戦争の最前線で起こった奇跡。それは兵士たちのクリスマス・キャロルをきっかけに、成しえたフランス軍、スコットランド軍、ドイツ軍のクリスマス休戦、事実に基づいた物語です。

音楽とは、心のなかにある「人間性」を呼び覚ます扉。主義、主張、宗教、国境を超えた’その扉’に鍵をかけられない。

敵国の人間を同じ人間と認識する。たったそれだけで、戦争の無意味さが理解できる。しかし、それが出来ない人間の愚かさ。そして、それが出来た時、奇跡して語り継がれる。

戦場に兵士送る人と、戦場で戦う人。戦争の本当の敵は、敵国の兵士ではなく、戦場へ兵士を送る人たち。聖戦を口にして兵士を送り出す司祭の言葉の、なんとむなしいことか。

お勧め度 ★★★★★ 私の満足度 ★★★★★

こんなにいい映画なのに、上映がある都道府県が23しかないとは、寂しいかぎり。ちょっと遠くでも足を延ばし、ご覧下さい。     シネプレックス水戸にて

公式HP 戦場のアリア

コメント

_ charlotte ― 2006/06/08 21:33:03

TBありがとうございました。
音楽もスポーツも言葉を超えて分かり合える事です。
現場は戦争を仕掛ける上層部といかに違った想いでいるかという事が、哀しさとむなしさを強調させました。

_ skywave ― 2006/06/08 22:52:31

charlotteさん、コメントありがとうございます。
>音楽もスポーツも言葉を超えて分かり合える事です。
音楽は感性を磨き、スポーツは感覚を研ぎ澄ます。そして言葉は、人を欺く。

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_ カノンな日々 - 2006/06/08 00:43:12

またまた素晴らしい作品に出会うことができました。映画の神様に感謝です。極限の緊張下にある最前線の戦場でこんな奇跡のドラマが実際に起こってたなんて信じられません。戦争映画をたくさん観てきたわけじゃないし、いかにもプロパガンダ臭のする戦争映画は嫌いだったりす....

_ よしなしごと - 2006/06/08 00:55:46

 今回は戦場のアリアです。最近はイノセントボイス、ホテルルワンダなど、戦争映画が多いような気がします。特にこの2作は僕の中で非常にすばらしい作品でした。今回の戦場のアリアにも期待が持てます。

_ 平気の平左 - 2006/06/08 01:04:34

評価:85点{/fuki_suki/}

戦場のアリア

フランス映画際のクロージングで観てきました。

かなり好きな作品です。

今年、今のところベスト3に入るくらいの感じ。

思ったよりも、盛り上がりと言うものはなかったのですが、所々で鋭い本質をついているところが胸に響きました。

もちろん、感動できますし、歌の力も素晴らしい。



以下、ネタバレあり





まず、最初から引き込まれました。

最初シーンは、英・独・仏の小学生くらいの子供が登場します。

そして、それぞれ敵についての想いを発表するのです。

そこで、背筋が寒くなりましたよ。

こんな小さな子までが、そんな認識でいるのかと。


こんな感覚は、ラストの方で司祭の語る言葉でも感じました。

司祭なのに、戦争を推奨するシーン。

ドイツ人は根絶やしにしろ。

老若男女問わず、一人残らず殺せ。

これは、聖戦だ!

こうやって、戦争は作られていくのだと感じました。


観客は、この司祭のセリフの嘘が痛いほどわかります。

物語の中盤で、前線の兵士同士が一緒にクリスマスを過ごしたことを知っているから。

ドイツ兵士もスコットランド兵もフランス兵も、妻の写真を見せあい、みんな家族が恋しいんだと知っているから。

ドイツ兵士もスコットランド兵もフランス兵も、同じ人間だとわかったから。

前線の兵士の戦争と戦争を作った側の人間とは、「戦争」の意味が違うことがわかったから。

「この塹壕の中が私の戦争だ」というセリフを聞いたから。


こういうシーンがあるからこそ、司祭の「嘘」が際立ちます。

戦争の本質を際立たせる上手い構成だと思いました。


他にも色々いいシーンがありましたね。

共通言語であるサッカーをしたり、酒を飲みかわしたり。

砲撃がある塹壕をみんあで避けたり。

猫が塹壕を行き来して、ドイツとフランスで違う名前をつけらられたりとか。

猫ってのは万国共通で、行く先々で勝手に名前つけられるもんなんですね。


また、全員が全員敵兵と仲良くならないところも好感が持てます。

兄が殺されたことを消化しきれない兵士、敵と飲むことを拒否して塹壕にとどまる兵士など。

きれいごとだけでは終わらないところが良いです。





映画と関係なく気になったのは、司会のフローラン・ダバディがスーツにスニーカーだ

_ かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY - 2006/06/08 01:19:51

これぞ、聖なる夜。
そこにある感動はわかりきったものであるのだけれど、その日のクリスマス・ソングが再現されればやっぱり心に響き渡る。

1914年、第一次世界大戦下。フランス・スコットランド連合軍とドイツ軍がにらみ合うフランス北部の村で、クリスマスの夜に一夜限りの停戦協定が結ばれた。アカデミー賞 外国語映画賞ノミネートというのも納得の胸を打つ物語。映画の出来映えが秀逸だというよりは、世界への願いを込めてこういう映画が評価されることが嬉しいわけで。『クラッシュ』のオスカー獲得もそういう要素が多大にあると思うわけで。

ボスニアの『ノー・マンズ・ランド』的に不条理な現実があることも...

_ ノラネコの呑んで観るシネマ - 2006/06/08 01:25:08

「クリスマスの奇跡」を扱った映画は数あれど、この映画はその中でも異色作と言えるだろう。
何しろ舞台は第一次世界大戦中のノーマンズランド(両陣営の中間にある無人地帯)で、し

_ 我想一個人映画美的女人blog - 2006/06/08 01:49:56

戦争映画だけど戦争だけを描いた映画ではない、
戦下の中での音楽だけをフューチャーしたものでもなく
1914年、第一次大戦のまっ只中、
フランス北部の前線各地で実際に起こった出来事。
そこにスポットを当てた作品。


前線中、敵対するフランス、スコットランド、ドイツ軍兵士たちはクリスマスを迎える。
ソプラノ歌手アナと彼女の夫でドイツ軍兵士のテノール歌手ニコラウスは、
塹壕で聖歌を披露することになる。
ドイツ軍には10万本のクリスマスツリーが届けられ、
スコットランド軍の塹壕からはバグパイプの音色が聞こえてくる。。。。
      

本国フランスでは口コミで広がっていき、公開2週目で第1位。
その後ヨーロッパ各地で大ヒット。
本年度アカデミー賞外国語映画賞をはじめ、ゴールデン・グローブ賞、
英国アカデミー賞、セザール賞にノミネート。
日本では、フランス映画祭のクロージング作品で上映されて見事観客賞を受賞{/hakushu/}


軍の正式記録には残されていないけど、事実を忠実に映画化したと言われるこの作品、
決して押しつけがましくなく、
たとえ敵対するものであっても同じ一人の人間同士。
そんな状況であっても、
"自分も相手(敵)も同じ気持ち"を持つもの同士だということが、観る側にも伝わってくる...


どのシーンでというわけではないけれど
なんだかじんわりと、観ていて涙がひとすじ流れていた{/namida/}
うっと込み上げてきたというよりも自然に流れてた、、、、。

敵意むき出しの醜い争い、その醜さを描いた戦争映画は数多くあるけど
これは、そこで実際に起こっていたクリスマスイブの一時の休戦。

兵士たちは、故郷には妻や両親、愛する人を置いて皆同じ気持ちでこの戦いに挑んでいる。
そこで交わされる違う国の敵との交流。


別々の国に生まれて、自らの意志だけじゃないのに戦わねばならない。。。
明日死ぬかもわからない。。。。
そんな状況の中での一人のソプラノ歌手の歌声は、彼等を歩み寄らせるきっかけとなる。
互いに挨拶をして、シャンパンを酌み交わす。
たとえそれがいっときであっても、心を通わせ合い、気づかう。
終戦後に再会の約束をする者までいる。。。
敵に殺された兄への思いが断ち切れなくて、それに賛同出来ない者ももちろんいた。

派手な銃撃戦のかわりに、暖かな心の交流

_ ひらりん的映画ブログ - 2006/06/08 01:51:29

ゴールデン・ウィーク真っ只中で、子供向け映画が真っ盛り。
いつものチネチッタはネタ切れ気味なので・・・
TOHOシネマズ川崎で、レイトショウを見ることに。

_ ラムの大通り - 2006/06/08 09:42:01

-※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。


----この映画、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされてるね。
「うん。実にそれにふさわしい作品だったよ。
映画は1914年、
第一次大戦下で実際に起こった出来事を基にしている。
フランス・スコットランド連合軍と、
ドイツ軍が連日砲弾を鳴り響かせているフランス北部の村。
戦況は熾烈を極め、死体の数だけが増えていく。
やがて訪れたクリスマスの夜、
ドイツ軍には10万本ものクリスマス・ツリーが届けられ、
スコットランド軍の塹壕群からはバグパイプの音色が聞こえてくる。
そして奇跡は起こった-----(チラシより抄訳)」
----つまり、それがキャッチコピーの
「その聖なる日、銃声が止んだ」。
クリスマス停戦になるわけだね。
「うん。ドイツ軍のオペラ歌手の兵士が
クリスマス・ツリーを手に塹壕から歩み出て、
美しいテノールを響かせるんだ。
バグパイプの伴奏にのせてこだまする
ドイツ軍とスコットランド軍の「聖しこの夜」の合唱。
やがてそれぞれの兵士たちがおずおずと塹壕から現れ、
ついには3ヵ国の中尉たちが集まって、
クリスマス一夜限りの休戦に合意する。
片言の外国語での挨拶、家族の写真の見せあい、
チョコやウィスキーの交換、サッカーの試合…。
そして宗派を超えたミサが行われる。
このシーンは、雪深い背景もあって
幻想的な美しさがあったよ」
----でもそこまで仲よくなっちゃうと、
戦争を再開するのが難しくなりそうだね。
「そこなんだ。
実は、奇跡はさらに続いていく。
ユーモアまじりに語られるそのシーンは、
観る人のお楽しみにして
ここで語るのは止めるけど、
ちょっと驚くような出来事が起こるよ」
----えっ、話してよ。
※じゃあ、ネタバレ注意と言うことで…。
「それは後方からの相手への攻撃を情報として教えあい、
一緒に塹壕を行ったり来たりして被弾を回避すること 。
実はここに<戦争>の持つ本質的<無為性>が語られている。
だれもいない無人の塹壕に炸裂する砲弾。
何やってんだろうって感じだね。
前線にいる個人と個人は仲がいいのに、
後ろにいる権力機構は憎しみあっている」
----ニャるほどね。
「そうそう、キリスト教も
戦争に加担していることが描かれているのも興味深い。

_ 水曜日のシネマ日記 - 2006/06/08 11:17:44

1914年12月。
第一次大戦下、フランス北部の戦地で、
実際に起きた事として、今も語り継がれている出来事を描いた作品です。

_ シャーロットの涙 - 2006/06/08 21:41:39

フランス映画祭もこれで終り。クロージング作品の「JOYEUX NOEL」(原題)〜「戦場のアリア」

第一次世界大戦中1914年の雪のクリスマスイヴの奇跡の出来事から生まれた、友好の実話を映画化。


フランス北部の最前線、ノーマンズ・ランドで(両陣営の中間、無人地帯)
敵対する者同士がクリスマスイヴの一夜だけ休戦する事に合意し、その事がきっかけで言葉を超えてお互いを理解していく様を感動的な音楽と共に綴っていく。


劇中で、勇敢且つ高貴な声を持つテノール歌手ニコラウス(ベンノ・フュルマン)と天使の様なソプラノ歌手アナ(ダイアン・クルーガー)の、心を振るわせる歌声が無意味な戦いに疲れた兵士達の心を癒していく。


思いっきり、口パクってわかるけど(笑)その声の吹き替えは、ロランド・ヴィラソン(テノール)とナタリー・デッセー(ソプラノ)が担当。オペラ界では超有名人。
う〜ん、厳しく見てしまうと、ダイアンとベンノ、もっと歌のトレーニングして欲しかったかしら…どうも本人が歌ってるようには見えなかったよ{/face_naki/}
このへんで少し感動が減ってしまったけど、音楽ものには感動ありといってもそう過言ではなく、スコティッシュのバグパイプの音楽やハーモニカの哀愁漂うあたりは涙を誘う。そして音楽の情景スコア、ヴァイオリンの旋律が見事に心にも響いてくる。

厳かなクリスマスに小さな無数のクリスマスツリーのろうそくの炎が、その時だけとされた休戦がここで永遠に…と願わずにはいられない。


それとピアノ。個人的に注目したのは、ちゃんとフランス唯一のメーカー「プレイエル」を使用している事(ショパンが愛したピアノです♪)←鍵盤蓋大写しになるので見てっ♪
スコットランドの蛍の光…この時期に聞くと妙に泣けてくる…笑


愛する人の写真を胸に抱き、いつ訪れるやもしれない死の瞬間に怯えながらも、戦いに明け暮れる兵士達。独語、仏語、英語等の通じない言葉を超え、音楽やフットボール、お互いの家族の写真を見せあいながら友好を深めていく。

現場の思いは、いかに上層部と違うか…この辺りも見どころ。
無意味な戦い、この境遇を共にする兵士達の頭上に輝く照明弾の明かりはひとかけらの希望に写った。
そしてお互いにかばい合い、砲撃の情報を教えあう所には場内に笑いが…
(ちょっと笑うポイントがずれたかな、私…)

_ きょうのあしあと - 2006/06/08 22:03:53



「その聖なる日、銃声が止んだ」

監督:クリスチャン・カリオン
出演: ダイアン・クルーガー 、ベンノ・フユルマン 、ギョーム・カネ 、ゲイリー・ルイス 、ダニー・ブーン、ナタリー・デッセー、ロランド・ヴィラゾン
公式HP:http://www.herald.co.jp/official/aria/
鑑賞:TOHO Cinemas Kawasaki

■ストーリー
1914年、フランス北部。早期に終戦を迎えると言われていた第一次大戦は次第に泥沼の膠着状態を迎えつつあった。最前線デルソーでは、イギリス・フランス連合軍とドイツ軍が至近距離に塹壕を掘り、日夜神経を削りつつ、その年のクリスマス・イヴを迎えた。

_ ヨーロッパ映画を観よう! - 2006/06/08 22:23:30

「Joyeux Noël」2005 フランス/ドイツ/UK/ルーマニア
実話がベースの、第一次世界大戦に起こった感動の戦争ドラマ。1914年のクリスマス・イブが舞台。主演はダイアン・クルーガー(トロイ/2004)、ベンノ・フュルマン(美しきイタリア、私の家/2003)、ギョーム・カネ(ビーチ/2000)、ダニエル・ブリュール(ラヴェンダーの咲く庭で/2004)、ゲーリー・ルイス(リトル・ダンサー/2000)etc. 監督、脚本はクリスチャン・カリオン。
デンマール人のソプラノ歌手アナ・ソレンセン(クルーガー)は、徴兵された夫であるドイツ人テノール歌手ニコラウス・シュプリング(フュルマ...

_ Sweet* Days - 2007/01/30 10:36:44

戦場のアリア スペシャル・エディション
アカデミー外国語映画賞他ノミネート

CAST:ダニエル・ブリュール、ギヨーム・カネ、ダイアン・クルーガー 他

STORY:1914年、第一次大戦下。フランス北部の最前線デルソーで、フランス・スコットランド連合軍とドイツ軍は壮絶な戦闘状態にあった。そんなある日、ドイツのオペラ歌手アナ(ダイアン・クルーガー)は、徴兵された夫ニコラウスとコンサートを開きたいと皇太子に申し出る・・・

これが史実だったというのは本当に驚きです。
「反戦」が世界的に謳われるようになるはるか前の戦いにおいても、
兵士の多くはその壮絶な戦いや凄惨な死を目の...

_ 悠雅的生活 - 2007/05/03 23:41:11

聖夜の戦場に響く、奇跡の歌声。

_ 虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ - 2007/06/25 22:56:54

あらすじ1914年、第一次大戦下、フランス・スコットランド連合軍とドイツ軍が連日砲弾を鳴り響かせているフランス北部の村。クリスマスだけは家族のもとへ帰りたいと兵士の誰もが願っていたが戦況はますます熾烈さを極めていた。やがて訪れたクリスマスの夜。ドイツ軍...