シネマ日記 フライト・プラン ― 2006/02/02 21:57:34
母は強し!ジョディ・フォスターの「独演会」ともいえる映画です。
ジェット機という密室のなかでの、子供の失踪。しかし、乗務員、乗客たちは、子供ははじめから乗っていなかったと。
母親役のジョディの迫力ある演技。この苦境に一人立ち向かっていく。「ダイハード」ばりの頼もしさです。この凄みは、彼女以外では出せないと言い切れます。
人間の’記憶’と’集団心理’。孤の人間が集まり、集団としての意思を持つときの、恐ろしさ。そんなことも考えさせてくれます。
お勧め度 ★★★★ - 終わった瞬間、隣に座っていた若い女の子は、友達にジョデイは、何であんな目に会わなければならなかったの?と疑問を投げかけていました。この映画 の最大の欠点かな。
98マイル獲得合計4139 6000マイルまであと1861
シネマ日記 歓びを愛にのせて ― 2006/02/04 12:28:55
芸術とは、自縛する我を解き放ち、すでにこの世に存在している’美しさ’を、見つけ出す作業。
ひとそれぞれ、いろいろな問題を抱えています。この映画では、普通の人々が音楽(コーラス)をとおし、自縛から解放され、つらい現実も受け入れ、前に進む力を得ていく姿を描いています。
世界的な指揮者の主人公は、心臓病のため引退し、なぜか暗い思い出しかない故郷に戻っていく。そこで、著名な音楽家だということでアマチュア聖歌隊の指導を依頼され、物語が始まっていく。
文部科学省特選なので、つまらない映画と思わないでください。いい映画です。本国、スウェーデンでは5人に1人が観たというヒット作です。
お勧め度★★★★★-主題歌の歌詞が、心にしみます。 生きる勇気を与えてくれる歌詞ですので、是非、観て、聴いてください。
132マイル獲得合計4271 6000マイルまであと1729
シネマ日記 ミュンヘン ― 2006/02/05 13:16:27
エンターテイメントとしての映画ではなく、報道としての映画。 ドキュメンタリーではないが、真実を見つめる。そんな感想を抱きました。
国家と民族、そして家族と個人。正義の名の下に行われる殺戮(テロ)は、報復の応酬という無限の連鎖となる。
民族の目に見えない’大義’が、自分の命、家族の命を守る’カタチ’となって、個人を殺人マシーンと変えていく。そして、そこに残るものは・・・
イスラエルの諜報機関の主人公が、ミュンヘンオリンピックでのテロの報復として、実行犯のパレスチナ人を次々に暗殺していく。爆発音に続く、凄惨な殺戮シーン。これが繰り返されて行きます。
お勧め度 ★★★★- 爆弾テロの大音響が、平和な生活にどっぷり浸かっている日本人に警鐘を鳴らしています。(何回も本当にドキッとします)
164マイル獲得合計4435 6000マイルまであと1565
シネマ日記 ふたりの5つの分かれ道 ― 2006/02/06 22:09:07
幸せなカップルは二人で観ないでください。不幸の種を見つけだすかも。
ふたりの心のすれ違いの5つのエピソード。
裁判所での離婚調停から始まり、時間軸はどんどん戻され、ふたりの出会いまで遡って行く。結末は恋の始まり、ある意味では、ハッピーエンド。
不幸には理由があり、幸福には努力がある。そして、不幸になる方法は、何通りもあります。その一通りをご賞味あれ! といった映画です。フランス映画のエスプリを。
お勧め度 ★★★★-この映画が面白いと感じる方は、繊細かつ自己中心的な性格では?(繊細ではないが、自己中心的な私には面白かった)
水戸テアトル西友のため加算なし 6000マイルまであと1565
シネマ日記 単騎、千里を走る。 ― 2006/02/11 09:06:00
荒涼とした風景のなかに1人たつ’高倉健’。彼の’たたずまい’を味わう映画です。
息子の余命わずかなこと知った父が、断ち切られていた親子の絆を息子がやり残した仕事を引き継ぐことで、取り戻そうとする姿に、人それぞれの’何か’を感じ取る。そんな映画です。
チャン・イーモウ監督は、我々の’高倉健’のイメージを壊すことなく、中国の風景の中に彼を描いてくれました。
観客は圧倒的に中高年男性、’高倉健’をとおして、過ぎ去った過去と、残り少ない将来の時間に‘何か‘を感じていたと思います。
お勧め度 ★★★ - 健さんが、携帯電話・デジカメを駆使している姿は必見です。さすが富士通のPCのCMに出ていただけは、ある?
108マイル獲得合計4543 6000マイルまで1457
公式HP単騎、千里を走る。
シネマ日記 ある子供 ― 2006/02/12 11:49:51
社会の底辺で生きる若者たちの断面を、飾り気なしに淡々と描いた映画です。 2005年カンヌ映画祭最高賞パルマードル受賞作。
この映画コピーは、「痛みを知ること、やさしくなること。」 大人になるとは、他人の痛みを知る時なのでしょう。
特に印象に残った場面は、主人公たちの脇で描かれていた刑務所での面会場。広い会場なので何組もの家族の面会風景が映ります。とある受刑者の男が、妻が連れてきた娘の髪をなでるシーン。数少ない救いのある光景でした。
お勧め度 ★★★ -観客総数4人のうち、親子(母と中学生くらいの娘)で鑑賞していた方がいました。こんな重い暗い映画を?確かに文部科学省特選の作品でしたが。
水戸テアトル西友のため加算なし 6000マイルまで1457
シネマ日記 水戸映画祭+ 2006 ― 2006/02/14 22:29:53
2月11日、12日の水戸映画祭+ 2006(水戸芸術館)で、「SCRAP HEAVEN」と「ランド・オブ・プレンティ」を鑑賞しました。
毎年恒例の映画祭、ミニシアター系の映画が好きな人にはお勧めです。梅にはまだ早いのですが、来年は是非、水戸へ。
「スクラップ・ヘブン」では、警察署のシーンで日ごろ見慣れた旧茨城県庁(昭和5年竣工のレンガ張りゴシック建築)が使われております。TVや映画で知っているところが出ると、なぜかうれしくなりますね。現代版「必殺仕事人」の結末はいかに。
ヴィム・ヴェンダース監督の「ランド・オブ・プレンティ」は、9・11以降のアメリカの心の傷を、ベトナム戦争の生き残りの元三等曹長をとおして表現しています。 アメリカを守るため日夜警戒しているドン・キ・ホーテ。テロの首謀者を追っているはずが・・
水戸芸術館のACM劇場という演劇ホールでの上映のため、音がこもった感じでセリフが聴き取りにくいのですが、それもまた、一興でしょうか。
シネマ日記 燃ゆるとき ― 2006/02/18 21:41:52
国内向け中高年サラリーマン応援歌です。
日本企業の赤字のカップ麺アメリカ工場。再建を図る日本人社員がアメリカ社会の現実(セクシャル・ハラスメント、企業買収、訴訟社会、多民族国家)と戦う。市場資本主義アメリカ、「お金がすべて」に、日本人のプライドを懸けて。 (しかし、鏡として現在の日本を映しているのでしょう。)
複雑な背景を日本とアメリカという’シンプルな対立軸’して、純日本的な価値観を当てはめ、’熱血的解決’をして行く姿に,好感を持つか、陳腐さを感じるか?
お勧め度 ★★ 私の満足度 ★★★
この映画であなたの中高年係数が計れます。感動が高ければ、立派な純日本的中高年サラリーマン!私は楽しめました。タマには、ベタな映画もいいですね。
114マイル獲得合計4657 6000マイルまであと1343
公式HP 燃ゆるとき
シネマ日記 クラッシュ ― 2006/02/19 12:33:54
人の’こころ’に棲む、怒り、哀しみ、憎しみを切り取って、切ないほど悲しく見せてくれます。
人種の’るつぼ’アメリカ・ロサンゼルス。うまくいかない人生に、苛立っている人たち。その原因を人種問題にすり替え、怒りを爆発させていく。そういった人たちが、微妙に交錯し合い、物語が進んでいきます。
その怒りと憎しみが、たどり着いた先は。
人間の本性とは、悪なのでしょうか、善なのでしょうか? そんなことを、真剣に考えさせられます。
しかし、微かな’光’を私たちに与えてくれるのもこの作品です。
お勧め度 ★★★★★ 私の満足度 ★★★★★
アメリカの人種問題の根深さには驚かされますが、日本でもつい最近、この映画と同じ様な事件が起きています。是非、観てほしい作品です。
スタンプラリー招待のため加算なし 6000マイルまであと1343
公式HP クラッシュ
シネマ日記 ジャーヘッド ― 2006/02/25 08:35:13
不遜な言い方をすれば、戦争は祭り、兵隊は神輿の担ぎ手。そして、祭りの後、人の心に残るもには、なんなのか?
海兵隊の訓練での、すさまじい洗脳教育。どうすれば、生きられるか。どうすれば、生きるために相手を殺せるか。 海兵隊員たちが「地獄の黙示録」を観るシーンがあるのですが、この映画を「こんな見方があったのか」と、あ然とさせられます。
ジャーヘッドは、愛国心と家族愛を煽る映画でもなく、戦争の悲惨さだけを描く反戦映画でもありませんでした。
戦争を与えられた時、普通の人が過酷な状況に対応するため、どのように人間性を変化させるのか。また、普通の生活に戻った後、それを体験してしまった人間は、埋めようのない穴を心に残していくことを教えてくれます。
お勧め度 ★★★★ 私の満足度 ★★★★ - T.レックスの「GET IT ON」をバックに戦争したら、機関銃ぶっ放したくなるのは、当然?
123マイル獲得合計4780 6000マイルまであと1220
公式HPへ ジャーヘッド
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