バベル ― 2007/05/01 21:45:34
近代文明とはいまだ無縁な荒涼とした風景のモロッコ、混沌と猥雑さのメキシコ、聴覚障害者の視点からの喧騒の東京。
切り取られ、描がかれる人々、モロッコの子供や老人の表情から何を読み取ればいいのか。メキシコの土埃舞う結婚披露宴とそこに集う人々のエネルギー。静謐な世界からみた都会、東京の姿。
映像と音楽で、語りかけてくる映画、一つ一つのシーンが一枚一枚の写真です。この撮り方の美しさに、心を打たれました。
お勧め度 ★★★★ 私の満足度 ★★★★★
ケイト・ブランシェットのあの冷たい眼差しに、心惹かれ、2度の鑑賞。この映画で体調回復してしまう私は、やっぱり変?
TOHOシネマズひたちなか(4/29)水戸内原(4/30)にて 公式サイト:http://babel.gyao.jp/
不都合な真実 ― 2007/04/17 21:01:42
物事には必ず、始まりがあり、終わりがある。人類の終末へ,アクセルを踏み続けるか、ブレーキをかけるのか。
対策を重ねれば、温暖化は止められる、悲観から否定の結論では、ありません。最後にこの映画では、地球温暖化は、モラルの問題だとも、言い切っております。
お勧め度 ★★★★★ 私の満足度 ★★★★
拉致問題を描いた「めぐみ」と同じように、だれもが観るべき映画です。そして、考えるべきでしょう。
TOHOシネマズひたちなか(4/12)にて 公式サイト:http://www.futsugou.jp/
ブラッド・ダイヤモンド ― 2007/04/11 22:08:53
子供兵士の訓練シーンが、衝撃的です。ダイヤモンドにまつわる、こんな現実が存在していたなんて、知りませんでした。
国際社会の利権の代理戦争が、アフリカの紛争なのでしょう。この現実を知らないでいることだけで、紛争に加担していることなる。知るべき現実ですね。
お勧め度 ★★★★★ 私の満足度 ★★★★
戦闘シーンの迫力抜群。手に汗握り、そして、考えさせられます。公式サイトからリンクされているアムネスティのページは、読むべきでしょう。
TOHOテアトルひたちなか(4/10)にて 公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/blooddiamond/
ブラックブック ― 2007/03/26 22:01:11
ドイツ軍占領下のオランダ、家族をナチスに殺されたユダヤ人の女性歌手ヘラルは、レジスタンスに身をささげる。復讐のために、スパイとなりナチス幹部の愛人となる。しかし、その敵を愛してしまうヘラル。
戦闘シーンの音楽・効果音の使い方が、古典的と思えるほど、オーソドックスでした。テーマが「裏切りと憎しみ」という重さのためか、このオーソドックスさが、ふさわしいのでしょうね。
最初に、史実に基づいて作られた作品というだけあり、オランダ映画史上最高の制作費という大作物です。
お勧め度 ★★ 私の満足度 ★★★
予告編の雰囲気で、期待が大きく膨らみすぎ、まあまあの作品という印象を持ってしまったのが、残念です。
水戸テアトル西友(3/25)にて 公式HP
ホリディ ― 2007/03/25 08:38:24
二枚目で’理想的’男性像、心優しきパパでもあったのです、そんな役をジュード・ロウが演じています。ロマンチック・コメディの相手役。こんな分かりやすい役の彼を、はじめてみた気がします。女性なら、あの笑顔に絶対惚れますね。
そんなに出てきませんが、二人の子役がこれまたかわいい。 天使のような笑い顔の女の子、これも’理想的’です。
現実にない’理想的’を目の前に繰り広げてくれるハリウッド映画の良さが、出ています。
それと、映画好きにはたまらない、映画ネタが散りばられています。キャメロン・ディアスの予告編製作会社の様子は、もう少し詳しく観たかったのですね。
お勧め度 ★★★ 私の満足度 ★★★★
ホーム・エクスチェインジ、見知らぬ人と家をまるごと交換。しかし、人に見せても恥ずかしくないほどの家に住んでいないと、だれも交換してくれなさそうです。
TOHOシネマズ水戸内原(3/24)にて 公式HP
ファースト・ディセント ― 2007/03/12 21:28:54
7000メートルのアラスカ山脈の山頂にヘリで降り立ち、断崖絶壁の斜面を、スノーボードで・・・・ファースト・ディセントとは、人が初めて滑る斜面。
世界トップレベルの新旧スノーボーダーたちの信じられない滑りを、ご堪能あれ。
アラスカの山頂に立つだけでも、気の遠くなるほど。しかも、そこから、身を投げるように、滑り落ちていく。クレバスの裂け目を飛び越え、大自然の怒りのような雪崩をかわしていく。この映像を見たら、ぶっ飛びます。凄い、凄すぎる!!!
人間は神に似せて創造されたという。彼たちが神だということではありませんが、神から授かったとしか思えない能力です。
お勧め度 ★★★★★ 私の満足度 ★★★★★
スノーボードの歴史と進化も、学べます。スノーボーダー必見、いや、滑らない方も是非に。
水戸リードシネマ(3/11)にて 公式HP
パフューム ある人殺しの物語 ― 2007/03/09 23:08:53
香水の香りの変化のように進む物語です。
トップノートは、過酷な環境から這い上がる主人公を。ミドルノートは、香りの魔力に取りつかれ、永遠の香りを手に入れために若い女性を次々と殺していく主人公を。ラストノートは、究極の香りがもたらす力をふるう主人公を。
香りは人を夢心地にさせるが、それはやはり夢。主人公グルヌイユが求めた香りは、神の力ではなく、悪魔の力を借りた究極の香りなのでしょう。
お勧め度 ★★★ 私の満足度 ★★★★
面白いと思えるか、嫌悪感を持つか、評価が分かれるかも知れませんが、必ず記憶に残る作品となるでしょう。見て損はない、映画ですね。
TOHOシネマズひたちなか(3/8)にて 公式HP
墨攻 ― 2007/02/04 20:25:51
原作がコミック、予告編での1人対10万人の戦いとのうたい文句。もしかしたら、荒唐無稽のストーリで戦闘シーンだけの映画。しかし、アンディ・ラウが主演なのだから、そんなことはないだろう。一抹の不安はあったのですが、杞憂でした。
自己の習慣や主張などを、かたく守って変えないことを「墨守」といいますが、その言葉の由来の墨子。宋の城を楚(そ)の攻撃から九度にわたって守ったという。その墨子の思想集団が墨家。
紀元前の中国春秋時代の戦乱。平和を目指して、戦う。しかし、戦いから、平和は訪れない。主人公の革離(アンデイ・ラウ)が、かっこいいですね。小国を助け、しかし、その小国に、裏切られていくのですが、常に冷静沈着、裏切られても、それも見通していた。
お勧め度 ★★★★ 私の満足度 ★★★★
コミック嫌いの私ですが、この原作は凄いのでしょうね。映画出来から伺われます。
シネプレックス水戸試写会(1/30)にて 公式HP墨攻
百万長者の初恋 ― 2007/01/06 14:09:32
韓流映画の王道、これまた難病・ラブストーリー。韓国の若い女性の難病罹病確率は、どのくらいなのでしょか?
かっこいい男の子と、かわいい女の子の初恋物語。前半の「ラブ・コメ」、後半の「切なさいっぱい、涙の嵐攻撃」。これは、これでいいのでしょうね。
心臓病に冒され、余命いくばくもないウナン(ヨンヒ)の、髪の毛をちょっとボサボサにした髪型が、似合ってます。少女から大人になる、そのときに命が尽きる。ラストは、二人の若さの輝く美しさシーンが多く、印象的でした。
お勧め度 ★★ 私の満足度 ★★★
わかり易く、先の読めるストーリー、「だから、いい」と言う方と、「だから、駄目だ」と言う方に、分かれそうですね。
水戸テアトル西友(1/5)にて 公式HP 百万長者の初恋
ホテル・ルワンダ ― 2006/12/30 12:22:29
略奪と殺戮が目的としか、言いようがない戦い。内乱・民族間紛争の痛ましさ、おぞましさを、まざまざと見せつけらました。
ツチ族とフツ族の歴史的対立が原因なのですか、利権に群がる人間の欲望が、一層の混乱を増していく。そして、犠牲になるのが、一般市民。正にこの世の地獄、「百万人の虐殺」が実際にあったなんて。しかし、人間にはそれを行う、負の一面を持つのでしょう。
この主人公ポール(ドン・チゲール)は、ホテルの支配人として、軍隊、政府高官たちに取り入り、家族の安全を確保しようとしていたが、現実の紛争は、そんなもので守れるほど易しくなかった。
人道支援という言葉も、資本の論理のまえでは、空手形。そんな国際社会の現実も、描いております。
お勧め度 ★★★★★ 私の満足度 ★★★★
年末になってやっと、水戸のスクリーンにやってきてくれました。お見逃しの方は、DVDで是非観てください。
水戸リードシネマ(12/24)にて 公式HP ホテル・ルワンダ
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